投稿日:2017.08.22
特定名称について
●特定名称酒について
清酒のラベルで「精米歩合」同様、目にすることの多い「特定名称」。
精米歩合についてはこちら
「特定名称酒」のことを示し、「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」において原料や製造方法などの違いにより8種類(普通酒は含みません)に分類されている清酒のことです。該当する清酒のラベルには、それぞれの名称を表示することができます。
清酒は一般的に米、米麹、水、ものによっては醸造アルコール (でんぷん質物や含糖質物を発酵させ、蒸留されたアルコール)を原料としてつくられていますが、醸造アルコールが含まれていないお酒のことを「純米酒」と言い、「純米酒」は精米歩合により以下のように分類されます。
・純米…米、米麹(精米歩合の規定はなし)
・純米吟醸…米、米麹(精米歩合60%以下)
・特別純米…米、米麹(精米歩合60%以下または特別な醸造方法)
・純米大吟醸…米、米麹(精米歩合50%以下)
対して、醸造アルコールを加えたお酒は、精米歩合により以下のように分類されます。
・本醸造…米、米麹、醸造アルコール(精米歩合70%以下)
・吟醸…米、米麹、醸造アルコール(精米歩合60%以下)
・特別本醸造…米、米麹、醸造アルコール(精米歩合60%以下または特別な醸造方法)
・大吟醸…米、米麹、醸造アルコール(精米歩合50%以下)
“特別”とつく「特別純米酒」や「特別本醸造酒」は、蔵元さんやメーカーさん独自のこだわりなどによりつくられたお酒です。
言葉だけではわかりづらいので、まとめてみたのが下記の図になります
超超ざっくりですが、ここから味わいを予想しようとするならば、右上にいけばいくほどお米の味わいがあり、左下に行けばいくほどスッキリな傾向になっていきます。(当然ながら蔵の技術力により変化しますが・・・)
醸造アルコールを添加しない「純米酒こそが日本酒だ」と思われている方は少なくないと思います。このあたりは各蔵元の考え方によるものが大きいので純米にこだわる蔵元もあれば、アルコール添加も技術の一つと考える蔵元もあります。
発酵中に出た吟醸香は、酒粕に多くついていってしまうのですが、アルコールを加えることによってアルコールに香り成分が溶けるため、お酒に香り成分を多くもってこれたりするため、純米酒よりもすっきりとした味わいで、香り高いものを作りやすくなったりします。(単に香りだけを求めるのであれば香りをものすごく出す酵母を使えば良いのですが、味わいとのトータルバランスを考えると採用されなかったりします)
なので、その蔵元がどういう考え方で造っているかということが見えてくると、そのお酒の見え方も違ってくるのかなと思います!
精米歩合や醸造アルコールの添加有無などは、日本酒の味わいや香りに大きく影響すること、ご理解頂けたでしょうか。
精米歩合について
●精米歩合について
「精米歩合」は、ラベルにも表記される身近な項目のひとつです。
清酒をつくる際、玄米中のお酒の雑味となりうる部分を削り取ることを「米を磨く(精米)」といい、玄米を100%とし磨いて残った割合のことを「精米歩合」と言います。
「米を磨く」ことはお酒の香りや味わいに関わる重要な工程のひとつであり、「精米歩合」は香りや味わいを決める上で重要な指針となります。
精米歩合を表現する時はあまり磨いていないお米を“高い”や“黒い”、磨いたお米を“低い”や“白い”と表現します。
ちなみに、普段「白米」としてみなさんが食べているお米は精米歩合にすると90〜92%くらいと言われています。
●なぜ「米を磨く」のか?
玄米の表層(外側)はタンパク質や脂質の含有量が高く、中心部に近づくほど純粋なデンプン質の割合が高くなります。
日本酒の製造工程で使用する酵母や麹などは、タンパク質や脂質があるとそれらも取り込んでしまいます。タンパク質はアミノ酸に分解されると、それらは旨味だけでなく苦味などの雑味をもたらす原因となります。そのため、玄米の表層を削ると、雑味の少ないスッキリとした味わいのお酒になりやすくなるのです。
また、脂質が多いと、酵母が発酵する際にフルーティな吟醸香が作りにくくなってしまったり、タンクやお酒を搾る機械などに油分がついた状態でそのまま放置すると、油が酸化してお酒に好ましくない匂いが移ってしまうため、そういった要因を無くすためにも精米という工程は重要なのですね!
ちなみに、「来福 超精米」などは8%まで磨き上げた贅沢なお酒になっています。一度は飲んでみたい銘柄ですね!
●磨き落とした部分は?
大吟醸などになると、お米の半分を糠として削り落とします。その削られたものが“糠”と呼ばれるものになります。
一般的には、外側の部分は赤糠として飼料、肥料など、より中心に近い白糠はお煎餅などのお菓子や米粉パンに再利用されます。
●磨くだけが全てではない?!
これらの理由により玄米の外側を磨く工程は、当たり前のように行われてきましたが、最近では「磨き過ぎるともったいない」「磨きすぎないほうがそのお米の特徴を感じやすい」と考える蔵元もあります。
一般的に、玄米の外側の30%(精米歩合70%)を磨けば、ある程度のタンパク質や(特に)脂質が取り除けます(図1)が、例えば、弊社でも取り扱っている「亀齢(きれい)」、「泉橋 海老名耕地」などのお酒は、外側20%を磨き落とした精米歩合80%のお米で製造されています。
ここでよく聞かれることなのですが、お米を磨かない分安くなるよね?と言われるのですが、実はそうでなかったりもするのです。
当然ながら、同じ玄米の量からでも多いお米で仕込めるので「原料の価格」は少なくなるのですが、上記のようにタンクやお酒を搾る機械についた油の除去や清掃の手間だったり、雑味を少なくしようと(例えば発酵温度を下げるなど)すると今度は酒粕の量が多く(=出来るお酒の量が少なく)なってしまうため、結果的に逆にコストが高くなってしまうこともあるのです。
図1:精米による成分の変化(酒類総合研究所のHPより引用)
そんなところで、今回は精米歩合についてのお話でした!
次回は“特定名称酒”のお話をしたいと思います!
予想問題を考えてみました
以下は店長の独り言です
テイスティングと食べ物との相性は問題の作成が難しい(思い浮かばなかった)ので入れておりません。明確なのはフォアグラに貴醸酒くらい
焼酎は3問くらいはでるかなぁ、酒器や飲む温度も2問ずつくらい、さっと見てこんな感じかなと覚えておけばいいかなぁ
歴史の酒造場の数や出荷数量のピークなどは出るかもしれないっす。
新着入荷のご案内【更新日:2016.9.18】
ひやおろしが続々入荷!
秋の風物詩「ひやおろし」が全国各地から入荷してまいりました!
ひと夏を越えて円熟味を増した味わいは秋の旨みののった食材とともに楽しみいお酒ばかり!
※「ひやおろし」とは、蔵内で熟成させ、夏を越えて外気が涼しくなってきた秋口に冷や(加熱殺菌せず常温)のまま大樽から卸したことから、そう呼ばれるようになったそされています。
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プレミアムな熟成酒シリーズ①!
確かな熟成感を感じる香りで、山廃仕込みですが優しい印象で、ゴツゴツした酸というのは感じず、コクのある甘みとじんわりと広がる旨みは見事の一言!
東力士 三夏越え 五百万石65 山廃
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秋櫻 吟醸 超ひやおろし 富久長!
落ち着いた熟成感のある香りの中にもフルーティな面影があり、含むとなめらかなタッチがまろやかな旨みを引き立てるようにじっくりと味わえます。煮物や煮魚など少し甘辛い味付けにもぴったり!
秋櫻 吟醸 超ひやおろし 富久長
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バランスよくなった定番火入
穏かで可憐な花のような香り。 含むとフルーティな甘さと後ろに隠れていて後半顔を出すように骨格を作る酸のバランスが心地よくちょっぴり妖艶さも、後半はビターチョコのようなほろ苦さがアクセントになりじんわりとした余韻を残しながら消えていきます。
さぶろう 五百万石60 純米吟醸 林本店
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醸し人九平次!あの季節限定酒も入荷!
実はこの中身、とっても凄いんです!!精米歩合45%のhuman、40%の彼の地、35%の別誂の荒走りと攻めをブレンドされており、繊細で綺麗な部分から味のある部分までを味わえます!
醸し人九平次 火と月の間に 山田錦50
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ありきたりな言葉ですが毎年人気!!
深みのあるフルーティーな吟醸香、軽快で柔らかい豊かな味わいが特徴です。くどき上手らしく酸は控えめで、コクがあり、ほのかに甘く感じますが甘ダレはせず、次々に盃が進む飲み飽きしない美味しさです。
くどき上手 雄町44 純米大吟醸
新着入荷のご案内【更新日:2016.8.15】
新着入荷のご案内【更新日:2016.8.15】
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平和酒造から満を持してクラフトビールが出荷!
ペールエールはラガーとは異なる上面発酵で造られるスタイルのビールです。ホップを効かせた華やかな香りと苦味もあるしっかりめの味わい
平和クラフト PALE ALE
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クラフトビールらしい本格派の味わい
ベースはベルジャンなウィートエールです。ウィート(小麦)のなめらかな舌触りと柔らかさ、オレンジやうっすらと柚子の香りが広がります。
平和???? WHITE ALE
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数量限定の裏シリーズ
裏・雅山流とは雅山流取り扱い店の中でも限られた店のみで流通する超限定バージョン!一升で2000円台前半の価格帯でこれほど酒質の高いお酒はちょっと本当にびっくりです!
裏・雅山流 香華
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生と火入れの飲み比べも一興!
昨年、広島県内の酒屋さんのみで完売してしまった幻のこいもみじ68%精米の生酒です!今年は 広島県外では数軒の酒屋への案内のみという限定品です
大那 東条産 愛山50
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Love!愛山!
熟れた果実を思わす美しい艶のある香りと上質さを感じる含み香、ボリューム感のある甘みと柔らかい酸に品格のあるしなやかで深みのある旨味。
一白水成 酒未来50
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完全受注生産品!
予約分だけ生で詰める受注生産の別注品!!香りの主張は強くありませんが、口に含むと柔らかい上品な甘みと爽やかな酸がスルンと駆け抜け、綺麗な旨みがふわっと広がります。
麹屋 純米吟醸 生酒
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ニューフェイス登場!
27BYから技術指導に「天寿」で有名な天寿酒造より佐藤俊二氏を招き、醸造設備も大幅に改良を重ね飛躍的に酒質が向上した林本店よりオリジナルのお酒が到着しました!
生 さぶろう 五百万石60林本店