投稿日:2013.07.12
川西屋酒造店の呑み切り 2013.7
去る7月8日、本店スタッフ菊池とともに川西屋酒造店さんの呑みきりに参加させていただきました
今回は抜栓後も含め計28点(23種類)
迎えてくださったのは工場長こと米山繁仁さん(写真右)小さくてすみません…
毎年お酒もそうですが、米山さんのトークも進化しておりました!
今年のお酒の出来を同じものでも開けた直後と、残り少なくなってからのお酒で向上していたり、思ったより伸びてなくまだまだこれからだなという印象を受けたり。今が飲み頃のお酒を見つけられたり!
今回はなんと2000年度醸造の純米大吟醸「黒隆 熟」もお目見え!!
ぬるぬる燗を少しデキャンタぎみに注いだり、氷を入れて燗ロックなど試してみたり。
蜂蜜のような艶のある香味に、これまで熟成香があまり得意でなかった菊池さんも、熟のお燗には目覚めていました!
ウイスキーなども熟成が進んだお酒をブレンドすると、若いお酒も熟成側に引っ張られ香味の調和が早くできるとのことから、人気な銘柄は切れてしまうことがあるため、若いと思ったお酒には取っておいた古酒を少しブレンドすることもあるのだそう。(“隆”に関してはブレンドが一切なされないため単一タンクの物になります)
燗冷ましなどで時間が経過しダレた感じになっても、もとのお酒をお猪口の数滴垂らすと、なんと!もとのお酒に甦ってくるから不思議です。
造りの方は今年より新しく農大卒の二宮さんが入社され、今期はさっそく酛屋を任される予定なんだとか!期待の新人さんです。
終わった後は川西屋さんのアンテナショップ的な存在となっている「天史朗鮨」さんへ
麗峰をお燗で飲んだ後、オススメを頼むと…なんと出てきたのは、うっすらと琥珀色に色付いた冬季限定生酒「丹沢山 たれ口」の2007年度醸造
う、美味い!
火入れでは味わう事の出来ない独特の香りと複雑な味わい、単体だと主張が強めですが、食事とともに飲むと調和してしまうから不思議です…
やっぱり清酒は美味い!!
米山工場長、二宮さん、蔵の皆様方、お忙しい中ありがとうございました!
フランス・ロワール地方の自然派ワインを楽しむ会
去る6月30日、横浜市港北区にある地鶏焼味くり家さんにて、フランス・ロワール地方サンセール地区にある「ロベール・カンタン」というワインの蔵元のソフィーさん(写真左)をお招きして、ワインを楽しむ会を開催しました。
白は「ソービニヨン・ブラン」、赤は「ピノ・ノワール」という品種を使用、農薬や化学肥料は一切使用しない自然派を貫いています。
最上級の「ポリーヌ」という銘柄のワインがありますが、ワインではたいへんめずらしい「アカシヤ」の樽を使用、さらにコルクではなくガラスの栓を使用しています。
第二次大戦中、多くの樫の木が伐採され、森林の破壊を懸念した当時の蔵元のポリーヌさん(ソフィーさんのお婆さん)が、やむなくアカシヤの樽を使用して貯蔵したところ、とても美味しく出来上がったので、それ以降現在もアカシヤの樽を使用しています。(コルクを使用しないのも、同様の理由です)
そんな自然に任せて造られるワインは、同じ品種・造りであっても畑によってそれぞれ個性が表れます。今回はそんな畑違いのワインを飲み比べ、何故このように違った表情を見せるのか?といったことを通訳を交えてお話いただきながら楽しんでいただきました。
澤屋まつもと純米と小松菜の煮浸し
豊永酒造、豊永社長ご来店
先日、熊本県より、豊永酒造の豊永社長がお店にお越し下さいました。
真ん中の方が豊永史郎社長です
豊永酒造さんの代表銘柄は「豊永蔵」という米焼酎。「球磨焼酎」という、地理的表示による産地指定を受けた球磨地方で造られた焼酎でしか名乗れない、世界的にも珍しいお酒を醸す蔵元さんです。
その昔、ワインで有名なフィリップ・パカレさんとお話した時に、『ワインでは日本で言う“旧暦”を参考にしており、新月の時に瓶詰めをする。』という話の中から『稲は月が満月の時に(正確にはその前日)田植えをする方がいい』とアドバイスを受けたそうです。
※旧暦(太陰太陽暦)とは、月の満ち欠けによってひと月の長さを決める方法で、新月の時を一日(ついたち)としてみなします(三日月の時が3日、満月が15日という具合)。
その背景には、太陽系での地球の位置が絶妙な位置にあるという事。太陽からの距離が少しでも近ければもっと暑く、逆に遠ければ寒くなりすぎてしまうが、地球は本当に調度いい位置でいるからこうして住んでいられる。また月との距離も、もう少し距離が違えば、常に嵐のような天候になっていてもおかしくない。
なので、自然の流れに沿ってこちらが行動していくことが自然だし、それがお酒にとってもいいことでしょう。というお考えをお話いただきました。
また、豊永さんは平成2年から、有機農法にいち早く取り組まれた蔵元さんでもあります
農薬や薬品を使えば収量(お米の収穫できる量)も増やせるし手間も掛からない…そんな米造りが盛んな時期に有機農法に取り組もうとした際、JAの農協から猛反対があったそうです。しかし、『農薬は人が飲んだら死にます、そんなものを食べ物に使ってはいけない』と豊永社長はその強い反対を押し切り、無農薬のお米造りを始められたとのことでした。
今では、自社で6反ほど(1反=約991m2)※田んぼを持ち、「自我田」というブランドも立ち上げられています!
※1反=陸上トラック1レーンの幅が122cmなので約8レーン分と言えば分かりやすいかな…
そんな球磨焼酎をもっと楽しむ方法がこちら!
ガラ(とっくり?)とチョク(おちょこ)の登場です
地元、熊本ではガラチョクという酒器を使って直接コンロなどの火に掛けてお燗をする習慣があります
これに入れて温めると、約50〜55度前後で白い湯気がでてきますので、その頃が飲み頃!少しアルコール分が揮発するので、口当たりもまろやかになり盃が進みます!
これからの季節は燗極ロックがオススメです!温めた焼酎を、氷の入ったグラスに入れて注ぐだけ!!
とろっとした飲み口で、そのままロックで飲むのとはひと味違った新鮮な味わいをお楽しみ頂けます!
豊永社長、お忙しい中いろいろなお話をお聞かせいただきありがとうございました!
確蔵 僕らの想い〜Our Spirit〜 特別純米
ご無沙汰しておりました…
書こう書こうと思ってずーーーっと書けませんでした
珍しい(なんと全国に2013本しかない)お酒のご案内です!
確蔵 僕らの想い〜Our Spirit〜 特別純米
23年ぶりに重家酒造さんから発売された清酒です。
1800mLのみ ¥2,500-(税込み¥2,625-)
どことなくクリーミーで上品な香り、口に含むとお米の旨みを感じますがスッと喉を通っていく飲みやすさがあります!
もう蔵には在庫が無いのですが、吉祥は予約の段階でたくさん仕入れさせていただいたおかげで、若干数ですが在庫がまだございます。詳しくは吉祥各店までお問い合わせ下さい。
23年ぶりの日本酒造りに至った経緯がこちら↓
遡ることなんと114年。
明治32年(1899)に酒税法が整備され、それまで認められていた自家製のお酒の製造と消費が禁じられ、お酒を製造することが免許制になりました。
当時、明治35年に壱岐島では、焼酎蔵が38場、清酒蔵が17場あったそうです。
現在では焼酎蔵が7場、清酒蔵が2場(2場共に製造していない)という状況です。
平成12年に壱岐麦焼酎「ちんぐ」を発売した重家酒造さんはもともと、日本酒と焼酎の兼業蔵として平成2年まで日本酒も造っていましたが、杜氏さんの高齢化により、やむなく日本酒造りを休止していました。
そこから23年が経ち、近い将来、壱岐島で日本酒を復活させたい!という強い想いから、弟の横山太三さんが約2ヶ月間、佐賀県にある清酒蔵に泊まり込みで酒造りをしました。
不安と希望の入り混じる中、2013年のスタートとして、タンク一本分。一升瓶で2013本を造ったのがこのお酒です!
※確蔵の名前の由来
1924年(大正13年)に重家酒造を創業した、初代確蔵の名前が由来となっています。
〜蔵元案内より〜
玄界灘に浮かぶ自然豊かな壱岐島に生まれ育ち、故郷を離れ、壱岐島の良さを実感する。
故郷に戻り、國酒造りを通して『壱岐島の魅力を世界へ伝える』これこそが我が使命。
僕らの想い世界へ届け。
熱い熱い想いの詰まったお酒、今期の分はもうほとんど無くなってしまいましたが、今後の重家酒造さんには要注目です!