酒に惚れ込んだスタッフ(お酒のアトリエ吉祥)たちが醸す一期一会のブログです。

蔵元特約店吉祥 ブログ

投稿日:2011.05.31

壱岐焼酎 重家(おもや)酒造さんを訪ねました

去る5月18日、博多港から1時間、玄界灘に浮かぶ壱岐島を訪れました。ここに壱岐島で最も小さい、「ちんぐ」という麦焼酎を造る、重家酒造さんがありますが、この度吉祥のラインナップに新に加わることになりました。

島に着いたら早速重家酒造の横山 太三さんにお出迎えいただき、蔵に行く途中に麦畑を案内してしていただきました。

DSCN3175.JPGDSCN3173.JPG

 

 

 

 

 

 

 

画像 002.jpg重家酒造の横山 太三さん(右)と私。麦畑の前でパチリ。後ろのちんぐ号で島内を案内していただきました。

商品の名前にもなっている「ちんぐ」という意味は、もともと韓国の言葉で「親友」という意味だそうで、今では島内でも日常的に使われているそうです。(僕達も「ちんぐ」ですね)

 

 

 

 

壱岐焼酎の歴史

ところで、壱岐島は麦焼酎発祥の地でもあります。蒸留酒が日本に伝わったのは東南アジアから琉球を経て薩摩へと、また中国大陸から朝鮮半島を経て壱岐島へ、という2つのルートがありますが、後者のほうが歴史は古く、今から400年前、江戸時代の頃といわれております。島内には弥生時代の遺跡が数多く残り、平地と地下水が豊富なことから古くから稲作が盛んでしたが、江戸時代には厳しい年貢米の取立てにより、米はたいへん貴重なものとなり、米に変わる農産物として米の裏作で麦を作る「二毛作」が発達するようになり、年貢のかからない麦を原料とした麦焼酎が自家用として造られ、飲まれるようになったのが壱岐焼酎の始まりといわれております。

地理的表示の産地指定を受けています

平成7年、壱岐焼酎はWTO(世界貿易機関)から世界が認めるブランドとして「地理的表示の産地指定」を受けました。地理的表示とは、製法や品質が確立された酒類を原産地を指定して世界的に保護する制度で、ワインではボルドー・シャンパーニュ、ウイスキーではバーボン・スコッチ、ブランデーではコニャック・アルマニャック、焼酎では琉球泡盛・球磨焼酎・薩摩焼酎がそれに当たります。

壱岐焼酎の特徴は

①米麹を使うこと。 

②米麹と大麦で仕込むこと。 

③壱岐の水で仕込まれ、壱岐島内で瓶詰めされたもの。

と定義されています。「麦焼酎なのに何故米麹を使うのか」皆さん疑問に思われるかもしれませんね。(私もそうでした)ですがそれは壱岐島の歴史と深い関係があるのです。実は壱岐島は麦焼酎発祥の地でもありますが、もともとは清酒の文化圏でもあるのです。古くから稲作が盛んだったので、清酒も造られていたと考えられています。ですから米麹の製法の技術は古くからあり、米麹を使用したほうが、独特の甘味と厚みのある味わいであることから、米麹で造られてきたようです。

DSCN3182.JPG蔵に着いて早速中を案内していただきました。写真は太三さんのお兄さんで杜氏でもある横山 雄三さん。

明日仕込む麦と米の浸漬といって水を吸わせているところです。昔ながらの木樽の桶を使用しています。

 

 

 

 

 

DSCN3187.JPG麹室です。清酒と同じ箱麹法で造られています。重家酒造さんは、以前は清酒も造っており、免許もあるのでいつか又造ってみたいとおっしゃっていました。(楽しみです)

 

 

 

 

 

 

お兄さんの雄三さんと弟の太三さんは、それぞれ本州の大学へ進学し、サラリーマン生活を過ごしていましたが、今にも潰れそうな蔵を兄弟で建て直そうと島に戻ったそうです。当時、既に壱岐焼酎は地理的産地の認証を受けていましたが、実は当時まで原料の麦はオーストラリア産、麹米用の米はタイ産を使用していました。

地理的産地の指定を受けているのに、外国産の原料を使用するのはおかしい!

疑問に思った兄弟は、地元産の原料の使用に着手しました。当然周囲からは猛反対を受けました。コストは跳ね上がるし、第一引き受けてくれる農家があるのか、という問題がありましたが、一軒一軒農家を訪問して地元産の原料使用の意義を説いてまわりました。

現在壱岐焼酎蔵は島内に8蔵ありますが、重家酒造さんは唯一、地元壱岐産の米・麦を全量使用して造っています。

DSCN3201.JPG

蔵の前で記念撮影。「はい チング」合言葉になっています。

長くなってしまったので、商品のご紹介はまた今度にします。まずは壱岐焼酎を是非よろしくお願いします。

重家酒造さんのホームページはこちら → www.omoyashuzo.com/

投稿日:2011.05.31

九重雑賀(ここのえさいか)さんご来店いただきました

去る5月17日、和歌山県で清酒・梅酒・食酢を製造している九重雑賀の雑賀 俊光社長さんにお越しいただき、スタッフを対象にした勉強会を実施していただきました。以前にもブログでご紹介したとおり、九重雑賀さんはもともと食酢を製造する蔵として創業しました。今回はまず食酢についての歴史や料理のレシピなどをご紹介いただいた後、清酒のテイスティングや雑賀さんが目指す目標などを語っていただきました。

DSCN3156.JPG雑賀社長さん(奥の中央にお座りいただいています)よりお酒の講義を受けながらテイステイングを実施しています。雑賀さんのお酒は実にお料理によく合うように造られています。テイスティングをしながら「白身のお刺身に山葵を効かせて・・・」など料理とのマッチングを想像しながらのテイスティングでした。皆さん、想像力豊かです。

 

 

 

DSCN3151.JPG雑賀さんの調味料のラインナップです。左の海ぽん山ぽんは「お酒に合うポン酢」がコンセプトだそうです。私も自宅で愛用させていただいています。今では醤油やソースに代わり、揚げ物、焼き魚、餃子など、この海ぽん山ぽんが大活躍です。右ら2番目の吟醸酢は、大吟醸の酒粕を熟成、発酵させ、約2年かけて造られます。とてもまろやかで、ほんのり甘味も感じます。

 

 

 

 

DSCN3155.JPGお豆腐に海ぽん山ぽんをかけていただきました。なんにでもよく合います。お酒もすすみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DSCN3154.JPGこちらは昨年発売された柚子寿司召し酢。柚子の皮が入っています。紀州和歌山では、バラ寿司に柚子を入れる地域があるそうで、それを手軽にできるように、商品化されました。勿論バラ寿司以外にも用途は豊富で、今回は雑賀さんお手製のドレッシングをご持参いただき、試食いたしました。造り方はサラダオイル・塩・胡椒を加えるだけ。甘味もあるので、「これなら野菜嫌いの子供でも食べられるね」とお母さん方には大好評でした。

 

 

 

 

 

 

 

DSCN3166.JPG最後にスタッフと記念撮影。遠路はるばるお忙しい中、吉祥のために勉強会を開いていただきました。食材などもご用意いただき、本当に勉強になりました。雑賀さんが目指す食酢のこと、お酒のことをこれからもお客様に伝えていきます。

雑賀さん、有難うございました。

 

 

 

 

投稿日:2011.05.24

神亀酒造 真穂人の田植え

去る5月15日(日曜日)、昨年に引き続き、神亀酒造さんの田植えの会に参加してまいりました。当日は好天に恵まれ、暑さと日焼けとの闘いの中、泥にまみれながら、1本1本手で植えていきました。

写真左は生産農家の石井さんより田植えの説明を受けているところ。写真右は吉祥の新入りの高木君。神亀の専務から「今日は親子で来たのか!」と言われてしまいました。

DSCN3134.JPGDSCN3135.JPG

 

 

 

 

 

 

 

DSCN3136.JPGDSCN3140.JPG

 

 

 

 

 

 

 

「上手く植えられたかな?無事に育つかな?」そんな心配もありましたが、終わってみればけっこう綺麗に植えられています。あとは稲の生命力を信じます。(神亀さんのお酒と同様、ここの五百万石は力強いので心配ご無用ですね!)

DSCN3131.JPGDSCN3143.JPG

 

 

 

 

 

 

 

周りの田植えが終わった田圃では、アイガモが放たれていました。彼らは稲に付いた害虫や雑草を食べ、自らの糞が肥料となります。

田植えの後は、生産農家の田中農場の作業小屋でバーベキューです。ここはやはりプロの出番!飲食店さんが自慢の包丁裁きで、肉・野菜をカットし、炭をおこして調理していただきました。(何かお手伝いしようにも、私は右往左往するばかり!なんお役にもたちませんでした。悲しい~!)

DSCN3144.JPGDSCN3146.JPG

 

 

 

 

 

 

 

DSCN3147.JPGDSCN3149.JPG

 

 

 

 

 

 

 

DSCN3148.JPG今年も神亀さんのお酒ほぼフルラインナップで頂きました。来年はお燗番でもお手伝いさせていただこうかな?とも思いましたが、神亀さんの集まりは、手強いプロフェッショナルの集団なので、私なんぞがお役に立つのか?とも思いますが、また来年楽しみにしています。

 

 

 

 

 

110515_154715.jpg神亀の小川原専務と神田新八の佐久間さん。現在は息子さんにお店を譲って会長さんになられているようです。

帰りのタクシーは息子さんと一緒でしたが、タクシー代を出していただきました。私も出そうとしましたが、「いいです、出しますから」とのこと。申し訳ないので「じゃあ、今度お店に飲みに行きます」と伝え、息子さん「そのほうが嬉しいです」とのことで一件落着。

又お会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿日:2011.05.14

八戸酒造 駒井専務 ご来店いただきました

去る5月9日、「陸奥八仙」の蔵元、八戸酒造の駒井専務にお越し頂き、吉祥のお客様とスタッフでちょっとしたお酒を楽しむ会を開きました。
DSCN3120.jpg

中央でお酒を持っているのが9代目蔵元、駒井秀介専務。20代の頃、お酒はあまり好きではなかったとのことでしたが、あるお酒に出会い、その旨さに感動して蔵を継ごうと決心したそうです。

陸奥八仙は、お酒のファン層を広げる入り口に位置するような、そんなお酒です。(私は個人的には軽快で優しい、ピンクラベルの吟醸が好きです。)

駒井さん、震災復興に向けて頑張って下さい。私達も頑張って、お酒売ります。ありがとうございました。

DSCN3121.jpg DSCN3124.jpg
投稿日:2011.05.08

雪国の遅い春 南魚沼市大崎にて

ゴールデンウイークの5月5日、父方の爺さんの33回忌の法要で新潟へ行ってきました。横浜はとっくに桜は散っていましたが、こちらはまだ八分咲きといったところで、所々にまだ雪も残っていました。

DSCN3085.jpg

上越新幹線浦佐駅からタクシーで少し走ったところから見た、八海山です。(お酒で有名ですね)

「ふるさとの 山に向かいていふことはなし ふるさとの山はありがたきかな」石川啄木の詩、そのものの情景です。父の生家は手前の尾根の麓の大崎という集落にあります。有名ではありませんが、大崎菜という菜の花が名産です。(八海山の雪解け水で育てられ、市場には出回っていないので、この土地でしかお目にかかれません。

DSCN3099.jpgここが、私の父が生まれ育った大崎の集落です。手前の山の向こうに、ほんの少し八山海の頂が見えます。手前の田圃ではコシヒカリが造られています。魚沼のコシヒカリが美味しい理由はいろいろありますが、段状になっているので水履けがよく、山からの栄養をたっぷりふくんだ水がまんべんなく田圃に行き渡るからです。

法要のあと、山の中へ山菜採りに行きました。

 

 

 

 カタクリの花です。                           これはイタドリ。レモンみたに酸っぱいです。

DSCN3105.jpgDSCN3102.jpg

 

 

 

 

 

 

 

こごみです。                                                                            雪の下に生えた蕗の薹。

DSCN3108.jpgDSCN3111.jpg

 

 

 

 

 

 

 

ミズナです。私これ大好きです。                                            本日の収穫です。

DSCN3117.jpgDSCN3118.jpg

 

 

 

 

 

 

 

DSCN3101.jpg夕食前に一杯やっているところ。右奥が大崎菜のおひたし。歯ごたえと甘味があります。奥は麩の煮物。手前は蕗味噌とぜんまい煮。お酒は八海山の焼酎「よろしく千萬あるべし」すっきりしていてほんのり甘味のある米焼酎です。

決して華やかではありませんが、こういうものがとても有り難く感じます。(私もそういう歳になったんですね!)

前の5件 21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31