吉祥のスタッフが蔵元を訪ね、酒造りの現場や造り手をご紹介いたします。

秋田県福禄寿酒造 渡辺邉康衛 社長をお招きしました

秋田県五城目町にあります、福禄寿酒造の渡邉康衛社長さんをお招きいたしました。最近特に注目されているお酒、「一白水成(いっぱくすいせい)」でお馴染みの蔵元さんです。

渡辺さんは、2002年に東京農業大学醸造学科を卒業してすぐに蔵に入られました。、当時は地元秋田向けに普通酒・本醸造のみを造る何の変哲もない、ごく普通の蔵でした。(渡邉さん失礼!)入蔵後、地元の酒屋・問屋を中心に営業活動をされていましたが、品質や商品価値よりも値引やリベートに頼った商売に疑問を感じられたそうです。そこで渡辺さんは、高品質なお酒を顔の見える酒販店さんへ直接卸すべく、社内改革を断行しました。造り・火入れ・貯蔵・流通など、全く新しい試みに、古い慣習にとらわれた蔵人との摩擦が生じ、実際に一部の蔵人の入れ替えも行われたようです。そして2004年、新しい門出の証として、社名をそれまでの㈱渡辺彦兵衛商店から福禄寿酒造㈱へ変更し、渡辺さんが代表取締役社長に就任しました。そして2006年、待望の新しいお酒、「一白水成(いっぱくすいせい)」がデビューしました。早い時期からメディアなどでも取り上げられたこともあり、その人気はうなぎのぼりで、その名のとおり「彗星の如く表れた」と形容されています。渡邉さんが目指す酒質は、「お米の旨味を十二分に発揮した酒造り。甘味と旨味のバランスが取れ、嫌味のない酸味でキレる酒」とのことです。近年では原料米の品質向上にも力を入れ、五城目町酒米研究会を発足されました。地元農家さんと意見・情報交換を交わしつつ、出来上がった酒米の成分データを公開して、より高品質な酒米の確保に努力されています。秋田の期待の星、一白水成の今後の更なる成長に、目が離せません。

DSCN3436.jpgピンクのシャツを着て立たれているのが渡辺さん。確か32歳?と、おっしゃっていたそうな。若いです!

(山形の楯野川酒造の佐藤 淳平さんと東京農大の同期生とのことです)

 

 

 

 

 

DSCN3437.jpg注目の一白水成シリーズ。全体的には香りは程良い程度で、芳醇な旨味が特徴です。一番右から、特別純米、熟れた果実のようです。2番目、純米吟醸美山錦、ややすっきりした感じ。3番目、純米大吟醸、それらしい華やかな香り。4番目美郷錦、酸は少なく、若干苦味あり複雑。4番目雄町。シャープ・鋭い。酸で切れます。美郷錦が苦味ありとマイナス的表現となっておりますが、料理と合わせる、グラスに注いでしばらく放置する、抜栓後数日経ってから飲む、も少し熟成させる、といった工夫をすれば問題なく飲めます。

 一白水成よろしくお願いします!