吉祥のスタッフが蔵元を訪ね、酒造りの現場や造り手をご紹介いたします。

syatou1.jpg10月に広島へ行き、西条で行われる「酒まつり」に参加してまいりました。
取引のある亀齢酒造さんからすごい集客があるとは聞いていましたが・・・・びっくり!です。
広島駅から西条へ向かう在来線の列車内は、まるで山手線の満員状態の様!!駅に着くと人で溢れかえってました。
この企画は、西条にある蔵元さん9蔵と地元の方々が企画する会で、なんと2日間で24万人集客します。今年で第21回目の開催でした。

各蔵元さんも趣向を凝らしてお客様にお酒をご提供してました。きき酒セットを提供したり、竹の節で杯をつくり提供したり、酒ソフトクリームなど・・・・多くの方が「酒」を楽しまれていました。このように地元の文化・歴史・風土を大切にして、守り、継承していくことのすばらしさを学びました。
KISSYOは酒屋としてお客様に「感動」「美味しさ」「豊かさ」「楽しさ」を提供するお店としてさらに前進してまいります。この「酒まつり」で学んだことを来年に活かしていきます!お楽しみに♪
 

2009年3月某日、埼玉県蓮田市の神亀酒造さんへ訪問しました。横浜を朝4時すぎ位に出て、高速道路を飛ばして蔵に着いたのは6時頃。かなり早く着いたつもりでしたが、すでにお米が蒸しあがっているところでした。

DSCN0559.jpgお米が蒸しあがって、スコップでかきだしているところです。機械を使っているわけではないのでかなりの重労働です。

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蒸しあがった酒米です。阿波(徳島産)山田錦の60%精米(外側40%を削り落とす)で、ひこ孫純米に使用されます。

神亀酒造さんはその昔、「安くて売れる酒を造れ」というお国の言うことを聞かず、当時は高くて売れない純米酒を造り続けました。そのおかげで、お国からは、「神亀のところへはいい酒米はまわすな」、と相当の圧力をかけられ、いわゆる「クズ米」ばかりがまわされてきました。(当時はまだお米は自由に売買できなかったのです)そこである人のつてを伝って、徳島県の吉野川上流域で造られている山田錦を手に入れることができるようになったのです。

 

 

DSCN0563.jpgお米の蒸しあがりを見ていると、奥から蔵元の小川原専務が来られて、お米を木の板で揉んで「ひねり餅」を造っていただき、「あとで焼いて食え」と言って渡されました。
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これがひねり餅!

お米の味が凝縮した感じでこのままでも美味しかったです。

 

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本日蒸されたお米は「麹米」として麹造りに使われ、麹室に運ばれてから、麹菌が振り掛けられます。

 

 

 

 

 

DSCN0572.jpg麹菌を振りかけてからまんべんなく酒米に行き渡るよう、何回もほぐします。

できあがった麹米

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酒母室といって、小さな酒母タンクで酵母を育て                               酒母タンクの中です。

ます。

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仕込みタンクの全景です。タンクの本数は思ったより少なめです。

DSCN0589.jpg仕込みタンクの中の醪の様子。小さな泡がプツプツ沸いています。(画像ではわかりづらいかもしれませんが・・・・)

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DSCN0595.jpg酒槽といって、お酒を搾るところです。神亀酒造さんでは、圧力をかけず、自然の重みで約3日間かけて搾ります。

醪の入った酒袋をアルミ板の間にはさみ、醪の自重のみでお酒が搾りだされます。

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いわゆる「槽口(ふなくち)」で、まさにお酒が搾りだされているところ。

 

これを直に瓶詰めしたのが「上槽中汲み」という商品名で発売されています。本来であればここで飲んでみたいものですが、今回は車で来たので飲めませんでした。残念・・・。

 

 

 

               

DSCN0606.jpg続いてお米洗い。小川原専務が開発した、自動洗米機できれいにお米が洗われていきます。


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ストップウォッチを使い、秒単位でお米に水を吸わせます

 

 

DSCN0618.jpg小川原専務とのツーショット。嫌がるのを無理やり撮らせていただいたので少々ふてくされています。(けっこうかわいかったりします)お忙しいのに丁寧に蔵内を案内していただきました。ありがとうございました。

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朝食も頂きました。とても美味しかったです。

 ご馳走様でした(満足!)

 

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神亀酒造さんの全景です。

 

とても酒蔵とは思えません。看板も無ければ門もありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

DSCN1032.jpg今回訪問した際に蒸されていたお米「阿波山田錦60%精米」が使われている、「ひこ孫純米」。

私がお酒に目覚めるきっかけになったお酒です。決して綺麗なお酒ではなく、現代的なお酒でもありませんが、押し寄せてくるようなお米の旨味。主張が感じられるというか、造り手の魂が感じられるというか。良くも悪くも、影響力のあるお酒だと思います。このお酒を冷やで飲んでも、その良さはわからないと思います。

 

 

このお酒の一升瓶にかけられている首賭けタグには、「このお酒は人生の機微がわかる35歳以上の人に飲んでもらいたいお酒です」と書かれています。

右の盃に記されているのは、酒造界の生き字引といわれた、故上原 浩さんお言葉です。「酒は純米、燗ならなお良し」このお酒にぴったりのお言葉です。

去る7月25日、青葉区の和食ダイニング田鞍さんにおきまして、和歌山県の蔵元、九重雑賀さんをお招きしてお食事とお酒を楽しむイベントが開催されました。

まずは社長の雑賀 俊光さんより、食生活についての問題、生産者のもの造りに対する想いなどをお話いただきました。大手のメーカーが大量生産でほんの数日でできてしまうものを、あえて2年もかけて造るその訳など、熱弁奮っていただき、「商品の見る目が変わった」と参加者の方たちのお声も聞かれました。

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熱弁を奮う雑賀 俊光さん。雑賀さんはお酒だけではなく、お酢も造っている(創業はお酢が先なのです)ので、どちらかというと、お酢や食生活のお話のほうが中心でした。

引き込まれそうなほど、熱心に語っていただきました。

 

 

 

 

 

続いて乾杯!

 

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乾杯に使用されたお酒は、ビール酵母で瓶内2時発酵させた「スパークリング純米吟醸」

シャンパングラスでお洒落に頂きました。

その後は雑賀さんから一品ずつお酒やお酢の説明を頂きながら、お食事とお酒を楽しみながら歓談となりました。

 

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皆様お酒談義に花が咲いています!

 

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なんとお酢を飲まれていました。まろやかでツンと来ないそうです。  こちらのお客様は健康のためにお酢を飲まれているそうですが、純粋にお酢の美味しさが感じられるとのことで、気に入ったそうです。             

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田鞍さんのお料理はどれも心のこもった丁寧なものばかりでした。雑賀さんのお酢、ポン酢を使用したお料理も造っていただきました。

そして、お酢、ポン酢を使用したお料理はお酒と良く合うというのがわかりました。(同じ発酵食品なのだから当然ですね)

雑賀さんもおっしゃっていましたが、この豊食の時代に消費者の皆様の味覚もだんだん慣らされてきて、しっかりした味のもの、すなわち濃い味付けのものを好むようになり、その結果過剰な塩分摂取によって成人病などを引き起こすことが危惧されていますが、お酢を使用することにより味に深みが増し、結果薄味でも十分に対応できるのです。健康志向によりお酢も注目されていますが、お酢そのものの効果より、食生活の改善こそ、雑賀さんが目指していることなのです。

参加者の皆様、ありがとうございました。

雑賀さん、ありがとうございました。そして田鞍さんありがとうございました。

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