☆ sakeボーイ【高木】ブログ ☆
投稿日:2022.03.18新しい香り【4MMP】
日本酒の辛口について その2
日本酒の辛口について その2
その1を読んでいない方はこちらからどうぞ!
https://jizake-ya.com/blog/takagi/post_235.html
辛口といわないほうが良いと考える理由
日本酒の辛さの基準として思われてきた「日本酒度」
この数値は比重といい、簡単に言うと水より重いか軽いかという判断でしかありません。
水より重い場合は日本酒度はマイナス、逆に軽い場合はプラスとなります。
仮に微量な成分を除き、重さという面で単純にお酒は水と糖分とアルコールでできていたとします。
それぞれの密度は
水=1g/cm3
アルコールは0.789g/cm3
糖分の有名なものでブドウ糖(グルコース)の密度が1.54g/cm3となります。(4℃において)
お酒造りではこのブドウ糖を酵母菌が分解してアルコールにします。
つまり発酵が進めば進むほど密度が低くなり、結果として液体として軽くなります。
これにより、たくさん発酵させてアルコールをバンバン出せば、糖が少なくアルコールが多い→軽い
となります。
ほら、やっぱり日本酒度で甘辛いがわかるじゃないか!!と思ったそこの貴方!
実は糖分とひとくくりに言ってもいろいろ種類があって、デンプンに近い糖鎖の長いもの(デキストリン)は、甘みを感じないのです。
オリゴ糖やブドウ糖といった細かい単位に分解されて始めて甘みとして感じられる為、これらの組成(比率)が重要なのです。
つまり、
デキストリンが多くてブドウ糖が少ない日本酒度が+1のお酒
と
デキストリンが少なくてブドウ糖が多い日本酒度が+1のお酒
では、同じ日本酒度でも感じる甘さが違ってきてしまうのです。
更に言うと、酸のあるお酒だと甘く感じにくくなったり、旨み成分の代表格であるアミノ酸の中にも、甘く感じるものや苦く感じるものなどがあるため、正直数値でお酒の味わいを判断するというのは“目安”程度にはなりますが決めることは出来ないと思っていただいていいでしょう。
上記のことが分かると、「辛口のお酒」というと“甘さが少なくアルコール度数の高いもの”というお酒を選びがちになってしまいます。
「辛口」と言うだけで選択肢が狭まってしまうのって凄く勿体無い気がするのです!!
辛口のお酒!と言われた方にも、自然な甘さのあるフルーティなお酒を飲んでいただくと「美味しいから買ってく!」と気に入って帰られる方も大勢いらっしゃいます。
辛口のお酒で美味しいお酒はたくさんありますが、美味しいお酒が辛口とは限りません。
わからない時はぜひいろいろご質問いただければと思います。
日本酒の辛口について その1
お客さまからのご質問で
「辛口のお酒ありますか?」
ちょっと知っている方なら
「日本酒度が+○○くらいの」
というお声が圧倒的に多いので、今回は辛口についてちょっと深堀りしてみたいと思います。
日本酒っていうと“辛口”が美味しい基準のひとつとして思われている方も多いと思います、日本酒を知らなかった以前の私がそうだったように(笑)
もし理解せず鵜呑みにしていると、お好みのお酒に出会えない可能性が高くなってしまうかもしれません!
「甘い辛いって日本酒度でわかるんじゃないの?」と思っているそこのあなた!
まだまだ「日本酒度」という言葉で甘さや辛さを判断されていることも多くいらっしゃいますがそもそも辛いという味覚は存在しないため、アルコールによる痛覚の刺激がそうとされています。(唐辛子の辛さも痛みからきています)
つまり清酒における辛口は、甘みの少ないスッキリした味わいの表現として使われていると認識することができます。
●そもそも、なぜ辛口が良いと思われるようになったのか?
辛口のお酒が良いといわれるようになった理由は様々ですが、「アンチ三増酒」と「スーパードライ効果」が大きな要因と言われております。
~お米の足りない時期に生み出された三増酒。~
三増酒とは、出来上がったお酒の量を1とすると、その2倍のアルコールを加えることで3倍量に増やしてしまおうという手法です。
戦時中~戦後に掛けて、お米が貴重品で配給制になっていた頃はお酒の需要に対して供給が追いつかず、密造酒やメチルアルコール入りの闇酒といった粗悪なお酒が出回るようになりました。
そうすると国民の健康を損ねるだけでなく酒税の徴収にも影響が出てしまう為、そんな市場での供給不足を補うべく、出来上がったお酒に無味無臭の醸造アルコールを大量に加えて増量、薄まった分を糖類や酸味料で後から補って味わいを調整したお酒が生み出されたのです。
それまでは酒税を安定的に徴収するため、腐造させない造り=安全醸造が絶対とされていたため、腐造しそうな醪の救済措置として醸造アルコールを加えて発酵を止め、味わいを調整することでなんとかお酒にしようというわけです。
また、出来上がったお酒が雑菌汚染してお酒が白く濁ったりする“腐造(ふぞう)”を見分ける基準として「色がついていると減点」という評価基準が生まれました。
そうして鑑評会でも色のついていないお酒が評価されるようになると、今度は減点を防ぐ為に活性炭濾過で色を抜くことが優先され、それまでよりも大量に活性炭が使われるようになりました。すると、色だけでなく本来お酒のもっていた旨みの部分も一緒にとってしまうので、結果的に味わいの要素が少ない「淡麗」なスッキリとしたお酒が良いものと言われるようになりました。
その後、1960年以降は逆にお米が余り始めたため、三増酒からの脱却が始まります。
大正~昭和にかけて濃醇辛口→淡麗甘口と変移していた時代の流れのなかで、アルコール添加量を抑えた「本醸造酒」やお米だけで醸した「純米酒」が発売されるようになります。
それまで三増酒のような糖類を加えた甘口のお酒への反動からか一気に辛口ブームが到来。「淡麗辛口ブーム」が起こり、そこに拍車をかけたのが記録的なヒット商品となった「アサヒスーパードライ」の影響を受けて、清酒でも辛口が好まれるようになったといわれています。
余談ですが、淡麗辛口といえば新潟!といわれるくらいに成長した影には、新潟の越後杜氏の集団には「炭屋」と呼ばれる活性炭濾過を専門とする職人が多くおり、活性炭濾過の技術に長けていたことも要因とされています。
そんな「淡麗辛口ブーム」もあって、辛口が良いというのも分かるのですが、『歴史上、最も日本酒が美味しい時代』と言われる昨今においては、10年前では考えられないくらい多種多様なお酒が誕生してきており、甘口、辛口だけでは表現しきれないほどバリエーションが増えてきています。
さてさて、では次回は“辛口”と言わないほうが良いという理由も含めて書いていきたいと思います。
日本酒の辛口について その2
https://jizake-ya.com/blog/takagi/post_236.html
木下酒造の玉川特約店会に行ってきました!
今年で創業175周年を向かえる木下酒造。3年ぶりに開催された玉川特約店会が9月に京都府京丹後市は久美浜にて開催されました!
久美浜という土地は新横浜から京都まで新幹線で2時間弱、そこからさらに電車を乗り継ぎ2時間半強。日本海に接する久美浜湾のほど近くにあります。
久美浜湾は汽水(海水と淡水の交じり合う状態)の湾で牡蠣や車えびなどの養殖が盛んなところ。山と海に挟まれた場所にあるので、雪解け水が豊富で水の心配は無いそうです。
造りのほうをざっくりとご説明すると
洗米は15kgずつウッドソンの洗米機を使って水流と泡の力によって糠を落とします。
お米は水を吸うと1.3倍ほどの重さになるので15kgの白米が給水後には20kgを超えます。仕込む量が増えたときに蔵人さんの腰への負担が大きくなるので、他の蔵元さんでも珍しい(私は初めて見ました!)ラクラクハンド(→真ん中上部の水色のアーム)という機械を使い、20kg分を機械の力で持ち上げて負担を軽減させていました。これ酒屋にも欲しい(笑)
室も以前は一階にあったものを2階に移したそうです。天井の梁の部分に重なるように室が作られていましたが、隙間無くきっちりと組まれていました!
野菜などを育てる機械を応用し、麹の温度はスマホで見れるようになっております。
酒母室と仕込み蔵を新設し、ヤブタの搾り機も冷蔵完備!
新仕込み蔵は天井も高く作業がしやすくなっています。天井が低いと醪を混ぜるときの櫂棒(かいぼう)が天井に突っかかってしまうので、それだけでも作業効率が上がるのですね!
そして玉川の特徴はなんといっても熟成!
貯蔵はタンク熟成のものに関しては特別純米を毎年2本、山廃を1本熟成に回しています。
あまり見慣れない四角タンクは面積が瓶貯蔵の半分くらいでいいので今年は10本追加購入。
蔵の中を説明しながら案内してくれた杜氏のフィリップ・ハーパーさん。
木下酒造での酒造り歴も今年で11年目。素晴らしいお酒を造りながら関西弁も使いこなし、お茶目な人柄もあって人気な杜氏さんです。
蔵の裏手にある上ノ山蔵の隣におおよそ15000本入る冷蔵庫を新設!!これで生酒の管理もよりバッチリになったそうです。
社長が生まれた年におばあさまが植えた木が伸びすぎてしまったため、上がもう伸びないようにきってしまったのだとか!
しかしすごい高さ!!
見学が終わった後は呑み切りです。
今年造ったばかりのお酒から熟成したお酒、未発売のものまでをフルラインナップでテイスティング。
その後は木下社長の講演「木下酒造 175年の足跡」に始まり
山形県産酒スーパーアドバイザーの小関先生の有難いお話
ハーパーさんの思わず笑ってしまうような、現場では笑えない失敗談からの今に活きている事例の講演
夜は玉川のお酒とともに美味しい料理に舌鼓を打ちました。
玉川のお酒はお燗にすると旨みが口いっぱいに広がり、料理を美味しくしてくれます。
蔵人さんが普段蔵で飲むときには、熱っちっちになる位まで温度を上げてから温度が下がってきた40~50℃くらいの温度帯にするそうです。
1度温度を上げることでアルコールが部分的に揮発し、より円やかに感じられるので、ぜひとも試してみてください!(^^)
最後は次の日に蔵から見えた“人食い岩”をパチリ!!
また4時間半掛けて帰横しましたとさ!
泉橋酒造の呑み切り会に参加してきました!
先日は神奈川は海老名にあります泉橋酒造さんに行ってまいりました!
小田急線の海老名駅から徒歩で約15~20分ほどの場所に蔵があります。(バスを使うと徒歩込みで10分ほど)
利き酒は感覚が最も鋭敏な午前中が良いので、開場の10時に到着!一番乗りでした(笑)
純米大吟醸から梅酒まで、泉橋酒造のラインナップを一通り利いて、28BYの特徴を改めて掴んできました!
その中で特徴もあって面白いお酒も見つけたので、そちらはまた改めてご紹介したいと思います!!
蔵の裏手にはすぐに自社の田んぼが広がり、無農薬での酒米造りをしています。今回はそちらの方も改めて伺ってきました!
山田錦はちょうど出穂(しゅっすい)の時期!このぴょこんと出ている部分が稲の花です。2~3時間ほどで受粉を行いまた閉じてしまうので本当にタイミングの良いときでした!
雄町はまだまだこれからといった状態で10月後半~11月前半に収穫期を迎えます。
亀の尾はもう少しで収穫期とのことで、実って頭を垂れていました。
昔からの品種なので芒(のぎ・のげ)といって維管束が発達して先からでている毛が非常に長いのが特徴です。これがあると鳥獣に食べられにくかったり、動物の毛などに絡まって遠いところまで種を拡散したりする役割があります。
時代につれて収穫の際に作業の邪魔になるとのことで品種改良により現代の品種にはあまり見られなくなっていますね。
真っ白な一面を見たときに一瞬、風の谷のナウシカの某シーンが脳裏を横切りました(笑)
面白いのが下の写真。
手前で実っているのはコシヒカリ、右奥の緑色になっているのが山田錦、左上で白く見えるのが亀の尾です。
収穫されたお米からは中々感じられませんが、同じお米でも品種によってここまで違いが見られるのも田んぼならではの風景ですね!
無農薬での栽培は、無秩序的に生えてくる雑草を全て人力で取り除かなければいけないため、非常に手間と時間が掛かります。そのため、下の画像にある道具を持って田んぼに入り除草を行います。
麹を担当している蔵人の犬塚さんに倉庫から道具を引っ張り出してもらい紹介して頂きました。
稲が小さいときは鎖を引きます。大きくなると、長い鎌やお手製の釘の箒で除草を行っていきます。
機械が入れない為これらの道具を使って、サッカーコート一面位ありそうなところを、真夏に大人3人が丸一日掛けてやっと雑草取りが終わるそうです。それが何面もあるのです。。。
そんな蔵人さんや農家さんが丹精込めて育てた酒米が、泉橋のお酒となって皆様の手元に届いているのです。
海老名のテロワールをぜひ感じてみてください!
特定名称について
●特定名称酒について
清酒のラベルで「精米歩合」同様、目にすることの多い「特定名称」。
精米歩合についてはこちら
「特定名称酒」のことを示し、「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」において原料や製造方法などの違いにより8種類(普通酒は含みません)に分類されている清酒のことです。該当する清酒のラベルには、それぞれの名称を表示することができます。
清酒は一般的に米、米麹、水、ものによっては醸造アルコール (でんぷん質物や含糖質物を発酵させ、蒸留されたアルコール)を原料としてつくられていますが、醸造アルコールが含まれていないお酒のことを「純米酒」と言い、「純米酒」は精米歩合により以下のように分類されます。
・純米…米、米麹(精米歩合の規定はなし)
・純米吟醸…米、米麹(精米歩合60%以下)
・特別純米…米、米麹(精米歩合60%以下または特別な醸造方法)
・純米大吟醸…米、米麹(精米歩合50%以下)
対して、醸造アルコールを加えたお酒は、精米歩合により以下のように分類されます。
・本醸造…米、米麹、醸造アルコール(精米歩合70%以下)
・吟醸…米、米麹、醸造アルコール(精米歩合60%以下)
・特別本醸造…米、米麹、醸造アルコール(精米歩合60%以下または特別な醸造方法)
・大吟醸…米、米麹、醸造アルコール(精米歩合50%以下)
“特別”とつく「特別純米酒」や「特別本醸造酒」は、蔵元さんやメーカーさん独自のこだわりなどによりつくられたお酒です。
言葉だけではわかりづらいので、まとめてみたのが下記の図になります
超超ざっくりですが、ここから味わいを予想しようとするならば、右上にいけばいくほどお米の味わいがあり、左下に行けばいくほどスッキリな傾向になっていきます。(当然ながら蔵の技術力により変化しますが・・・)
醸造アルコールを添加しない「純米酒こそが日本酒だ」と思われている方は少なくないと思います。このあたりは各蔵元の考え方によるものが大きいので純米にこだわる蔵元もあれば、アルコール添加も技術の一つと考える蔵元もあります。
発酵中に出た吟醸香は、酒粕に多くついていってしまうのですが、アルコールを加えることによってアルコールに香り成分が溶けるため、お酒に香り成分を多くもってこれたりするため、純米酒よりもすっきりとした味わいで、香り高いものを作りやすくなったりします。(単に香りだけを求めるのであれば香りをものすごく出す酵母を使えば良いのですが、味わいとのトータルバランスを考えると採用されなかったりします)
なので、その蔵元がどういう考え方で造っているかということが見えてくると、そのお酒の見え方も違ってくるのかなと思います!
精米歩合や醸造アルコールの添加有無などは、日本酒の味わいや香りに大きく影響すること、ご理解頂けたでしょうか。
精米歩合について
●精米歩合について
「精米歩合」は、ラベルにも表記される身近な項目のひとつです。
清酒をつくる際、玄米中のお酒の雑味となりうる部分を削り取ることを「米を磨く(精米)」といい、玄米を100%とし磨いて残った割合のことを「精米歩合」と言います。
「米を磨く」ことはお酒の香りや味わいに関わる重要な工程のひとつであり、「精米歩合」は香りや味わいを決める上で重要な指針となります。
精米歩合を表現する時はあまり磨いていないお米を“高い”や“黒い”、磨いたお米を“低い”や“白い”と表現します。
ちなみに、普段「白米」としてみなさんが食べているお米は精米歩合にすると90〜92%くらいと言われています。
●なぜ「米を磨く」のか?
玄米の表層(外側)はタンパク質や脂質の含有量が高く、中心部に近づくほど純粋なデンプン質の割合が高くなります。
日本酒の製造工程で使用する酵母や麹などは、タンパク質や脂質があるとそれらも取り込んでしまいます。タンパク質はアミノ酸に分解されると、それらは旨味だけでなく苦味などの雑味をもたらす原因となります。そのため、玄米の表層を削ると、雑味の少ないスッキリとした味わいのお酒になりやすくなるのです。
また、脂質が多いと、酵母が発酵する際にフルーティな吟醸香が作りにくくなってしまったり、タンクやお酒を搾る機械などに油分がついた状態でそのまま放置すると、油が酸化してお酒に好ましくない匂いが移ってしまうため、そういった要因を無くすためにも精米という工程は重要なのですね!
ちなみに、「来福 超精米」などは8%まで磨き上げた贅沢なお酒になっています。一度は飲んでみたい銘柄ですね!
●磨き落とした部分は?
大吟醸などになると、お米の半分を糠として削り落とします。その削られたものが“糠”と呼ばれるものになります。
一般的には、外側の部分は赤糠として飼料、肥料など、より中心に近い白糠はお煎餅などのお菓子や米粉パンに再利用されます。
●磨くだけが全てではない?!
これらの理由により玄米の外側を磨く工程は、当たり前のように行われてきましたが、最近では「磨き過ぎるともったいない」「磨きすぎないほうがそのお米の特徴を感じやすい」と考える蔵元もあります。
一般的に、玄米の外側の30%(精米歩合70%)を磨けば、ある程度のタンパク質や(特に)脂質が取り除けます(図1)が、例えば、弊社でも取り扱っている「亀齢(きれい)」、「泉橋 海老名耕地」などのお酒は、外側20%を磨き落とした精米歩合80%のお米で製造されています。
ここでよく聞かれることなのですが、お米を磨かない分安くなるよね?と言われるのですが、実はそうでなかったりもするのです。
当然ながら、同じ玄米の量からでも多いお米で仕込めるので「原料の価格」は少なくなるのですが、上記のようにタンクやお酒を搾る機械についた油の除去や清掃の手間だったり、雑味を少なくしようと(例えば発酵温度を下げるなど)すると今度は酒粕の量が多く(=出来るお酒の量が少なく)なってしまうため、結果的に逆にコストが高くなってしまうこともあるのです。
図1:精米による成分の変化(酒類総合研究所のHPより引用)
そんなところで、今回は精米歩合についてのお話でした!
次回は“特定名称酒”のお話をしたいと思います!
予想問題を考えてみました
以下は店長の独り言です
テイスティングと食べ物との相性は問題の作成が難しい(思い浮かばなかった)ので入れておりません。明確なのはフォアグラに貴醸酒くらい
焼酎は3問くらいはでるかなぁ、酒器や飲む温度も2問ずつくらい、さっと見てこんな感じかなと覚えておけばいいかなぁ
歴史の酒造場の数や出荷数量のピークなどは出るかもしれないっす。
菊の里酒造 日本酒セミナー
少し時間が経ってしまいましたが
菊の里酒造の阿久津信社長をお招きし、日本酒セミナーを開催致しました!
大那が生まれたのは平成16年、『“大”いなる“那”須の大地が育んだ手造り清酒』
というところから、大那(だいな)と命名、その年はタンク1本のみの製造。一本しか仕込まなかったので、当然年明けには製造しておらず、2月には奥さまとスキーをしていたというほど時間があり、最初はなんて楽な仕事だと思っていたそうです(笑)
今じゃ2月に製造していないなんで考えられませんとおっしゃっておりました(笑)
さっそく余談ですがこのセミナーで実は阿久津さんがサルサを踊れるということが判明!!
「自分が気持ちいいだけでなく、相手も楽しませるのがサルサの極意。お酒も同じです」ということで、誰にでも明るく笑顔で接する阿久津さんの人柄がまさにお酒に現れているなぁと1人で納得しておりました。
さてさて、肝心のセミナーの内容を一部ご紹介!
原料米にこだわり、地元の農家さんと契約し酒米「五百万石(ごひゃくまんごく)」を栽培!今では大那酒米研究会を発足し、さらに高品質な酒米造りを目指し、試験栽培や勉強会なども積極的に行っています。
また、有機循環型農法という水田造りをすることで田んぼが本来持っている力を発揮でき、化学肥料や農薬などを極力抑えた米造りが可能になるのです。
農家さんもまた非常にこだわりの強い方で、酒造りには大粒なお米の方が向くので、米粒の大きさが1.8mm以上でよいところ、自主的に2.1mm以上のものに選別して大那用の酒米として出荷するこだわりよう!
そうした努力が重なり、地元那須で造った良いお米で「大那」が醸されるわけです。
セミナーでは実際に使う仕込み水も一緒にテイスティング!那須山系から約40年掛けて流れ出る雪解け水は弱軟水。
ずっとそばに置いておきたい友達のようなお酒を目指しており、お米を噛んだ時のような凝縮感、ホッコリとした旨みと心地よい酸と喉越しが特徴!
また、雑誌などでは「究極の食中酒」と紹介されるほど、食との相性も抜群!お酒の味わいが深いため海の幸よりは山の幸のほうがオススメとのこと!野菜や那須牛などが特にオススメなのだそうです!
今後はしっかりと地酒=その土地のお酒を造る地酒蔵として、自社の田んぼを増やしていき、地元の“良質な酒米”で美味しいお酒を造る、農業製品としての大那を確立していきたいというところでちょうどお時間となりました。
最後に、阿久津さんから皆さんへのメッセージで
「一日一合で健康的にお酒を楽しんで下さい」という言葉がありました。
これは、だいたい田んぼの面積が一反(約10m×100m)で出来るお米から、240升(一升瓶が240本)のお酒ができるとされます。
これを飲み手側から見てみると
一日一合(180mL)を週5日(休肝日は2日)で飲むと、一か月で2升、年間で24升、10年で240升を飲むことになります。
つまり一反の田んぼを守れちゃうのです!
2018年に減反政策が廃止されますが、日本人が1人一反の田んぼを守れば減反政策も必要ないという試算もでているくらい!
これを機に、皆さんも日本の田んぼを守ってみてはいかがでしょうか!(^^)