酒に惚れ込んだスタッフ(お酒のアトリエ吉祥)たちが醸す一期一会のブログです。

清酒(日本酒)の生酒とは?

さて、新酒が次々と入荷してきて、よく目にすると思う言葉のひとつに「生酒(なまざけ)」があると思いますが、「それってなんなの?」「“生”以外にあるの?」「他のとどう違うの?」というお声を頂くことが多いので、簡単にですがお話ししていこうと思います。

~お酒の生って何?~

日本酒には搾ってから殺菌をされていない生のお酒と、火入れ(※)されたお酒があります。 一般的に売られている(常温に置かれている)お酒は火入れされていると思っていただければと思います。マニアックな生酒専門店とかは別ですが(笑)

 

※ 火入れとは?→お酒を加熱殺菌することです。(低温殺菌といい約65℃位まで加熱します) 。加熱殺菌する前のお酒のことを「生酒」といいます。

 

~ 火入れを行う主な理由~

ではなぜ火入れという作業が行われるのでしょうか?それは

・微生物(酵母菌や雑菌)を殺して、腐敗を防ぐ。

・酵素(という物質)を壊して、お酒の品質を安定させる。

 等のために行います。

昔は当然冷蔵庫もなく、お酒も樽(桶)での貯蔵が一般的だったので、雑菌が入ってしまいお酒が腐ることがありました、そこでその雑菌を殺す目的で火入れがされていました。

最近、生酒が多く売られるようになったのは

・衛生的な環境で仕込むことができるようになった

・クール便などの低温で品質を保ちながらの配送が可能になった

・冷蔵庫ができて、低温で管理が出来るようになった

からといえますね。なので、昔は蔵でしか飲めなかったお酒が買える時代となってきたといえます!

 

すごくざっくりですが、お分かりいただけたでしょうか? ちなみに蔵元特約店 KISSYOのお酒は、巨大な冷蔵庫で全部氷温(0~-5℃)で管理していますので、品質はお任せ下さい!

余談で、生物系の方ならご存じとは思いますが「パスツール」という、有名な科学者が低温殺菌という手法を編み出して、風味を損なわずに殺菌ができることを世に知らしめました。 しかし、日本の蔵元さんはそれより300年ほど前からこの方法(火入れ)を行っていたんだそうです。 しかも、温度を測る時には温まったお湯に手を入れて数秒我慢できる位と、感覚を頼りにその方法を導きだしたというのですから、先人の知恵ってすごいですね!!

 

実は、火入れのお酒でも“生”とつくお酒があり、いくつか種類があるので、次回はその違いについてお話ししようと思います!

ではまた!

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